第117回日本消化器病学会九州支部例会・第111回日本消化器内視鏡学会九州支部例会

日程表

プログラム

特別講演

特別講演1

6月11日(金) 11:40~12:40

膵癌早期診断と外科治療の進歩

演 者:
中村 雅史(九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科)
司 会:
伊藤 鉄英(福岡山王病院肝胆膵内科・神経内分泌腫瘍センター
 国際医療福祉大学医学部消化器内科)

特別講演2

6月12日(土) 11:10~12:10

クローン病診療におけるダブルバルーン内視鏡の活用
―小腸狭窄拡張術のコツも含めて―

演 者:
山本 博徳(自治医科大学内科学講座)
司 会:
平井 郁仁(福岡大学医学部 消化器内科学講座)

シンポジウム

シンポジウム1

6月11日(金) 9:00~11:30

炎症性腸疾患に対する診療の現状と将来像

司 会:
芦塚 伸也(宮崎大学医学部附属病院 消化器内科 )
金城  徹(琉球大学病院 光学医療診療部)
コメンテーター:
江﨑 幹宏(佐賀大学医学部内科学講座 消化器内科)

司会の言葉

炎症性腸疾患(IBD)診療体系は大きな変革を迎えている。多種類の新規抗体製剤や免疫調節剤の登場により治療成績の向上が期待される一方、好適症例の選別や既存薬との使い分け、治療効果判定のタイミングなど新しい悩みも生じている。また便中カルプロテクチン・LRG・NUDT15 遺伝子検査など新しい検査法の登場や、カプセル内視鏡・MRE・体外式超音波検査など画像診断法の進化により診断体系も変化し、この数年IBD の診断治療戦略は複雑化してきた。さらにCOVID-19 の拡大は免疫抑制系薬剤の使用を躊躇させ、IBD 診療にも大きな影を落とした。

本シンポジウムでは、新規治療の短~長期成績、活動性評価の現状、難治症例に対する手術適応とタイミング、肛門病変への治療成績、さらにはCOVID-19 流行の影響など、内科および外科診療の現状と課題について幅広く演題を募り、新時代のIBD 診療体系について方向性を見出したい。

シンポジウム2

6月11日(金) 9:00~11:30

膵・胆道悪性腫瘍に対する集学的治療

司 会:
大塚 隆生(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科 )
李  倫學(九州がんセンター肝胆膵内科 )

司会の言葉

膵臓・胆道に発生する悪性腫瘍の治療には、正確な診断に基づく外科的・内科的治療に加えて、高率に合併する閉塞性黄疸といった合併症に対する適切な管理を含めた集学的治療が必要不可欠である。切除可能例においては、術前および術後の補助化学療法の是非、術後合併症を減らす取り組みなどが盛んに議論されている。切除不能例においても、新規抗癌剤レジメンの登場やゲノム診療・放射線治療の進歩などにより、その治療成績は徐々に向上してきている。これらの治療を成功に導くための合併症管理も重要であり、閉塞性黄疸に対する内視鏡的治療手技、膵機能障害に対する補充療法、治療法選択の際に有用となる予後因子などの開発も進んでいる。本セッションでは、膵・胆道悪性腫瘍に対する各施設のMultidisciplinary approach について呈示していただき、更なる治療成績の向上につながる議論の場としたい。

シンポジウム3

6月11日(金) 13:50~16:20

膵・消化管神経内分泌腫瘍の診断・治療の現状と問題点

司 会:
中村 和彦(国立病院機構福岡東医療センター消化器内科)
藤森  尚(九州大学病態制御内科)

司会の言葉

膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NEN)診療は、本邦初の疫学調査に始まり、ソマトスタチンアナログ・分子標的治療薬・細胞障害性抗がん剤・など相次ぐ新規薬剤の承認、ソマトスタチン受容体シンチグラフィーの登場、などによりこの10年で劇的に進歩した。2019年にはガイドライン第2版が発刊され、GEP-NEN の診断・治療がアップデートされた一方で、日常診療における様々な問題点も明らかとなってきた。具体的には、GI-NET の内視鏡治療適応、偶発的に発見された小腫瘍(特にPanNET)の取り扱い、GEP-NEN に対する術式選択(縮小手術 or 定型手術)、切除不能GEP-NENに対する薬剤選択、など、解決すべき点が未だ多い現状である。本シンポジウムでは、GEP-NEN の診断・治療に対する現状や問題点について、各施設の取り組みや成績を幅広く報告して頂きたい。稀少疾患のため、示唆に富む症例報告も歓迎する。内科・外科双方の観点から、GEP-NEN 治療成績の更なる向上につながる活発な議論を期待する。

シンポジウム4

6月12日(土)13:20~15:50

消化器内視鏡診療のイノベーション

司 会:
山口 直之(長崎大学消化器内科 )
塩飽 洋生(福岡大学消化器外科 )

司会の言葉

消化管領域における内視鏡診療のイノベーションは診断、治療ともに目覚ましいものがある。診断における分野では、NBI やBLI に代表される画像強調観察、拡大・超拡大内視鏡などにより、癌や炎症の診断がより精密にできるようになった。また昨今では、人工知能を駆使した内視鏡診断が臨床の現場で使用できるようになり、従来の内視鏡診断や内視鏡医の教育の在り方が大きく変わろうとしている。一方、治療における分野では、新たなデバイス、麻酔法、治療のストラテジー、そしてステロイドによる狭窄予防などによりESDの守備範囲は大きく広がった。またPOEMに代表されるThird space endoscopy によって、外科手術との境界がなくなりつつある領域もある。本セッションでは、内視鏡診療におけるイノベーションにつき、領域を問わず広く演題を募集したい。

ワークショップ

ワークショップ1

6月11日(金)13:50~16:20

消化管出血のトータルマネジメント

司 会:
石橋 英樹(福岡大学医学部消化器内科)
久保川 賢(麻生飯塚病院消化器内科 )

司会の言葉

高齢化社会を迎え、抗血栓薬やNSAIDs 服用例の増加に伴い、消化管出血は、日々の診療において、日常的に遭遇する消化器疾患となった。デバイスの進歩や手技の工夫により、内視鏡的止血術はある程度確立されてきたが、いまだ内視鏡的止血困難例が存在し、IVRや外科手術に移行せざるを得ない症例も経験する。また、内視鏡的に止血可能であった症例であっても、再出血予防のマネジメントが必要とされている。本セッションでは、静脈瘤性・非静脈瘤性にかかわらず、あらゆる消化管出血(食道から大腸まで)を対象に、出血源の診断の進め方や同定が困難な場合の工夫、内視鏡的止血術の選択や手技の工夫、内視鏡的止血術の限界とIVR や外科手術のタイミング、併存疾患や抗血栓薬への対応、出血や再出血の危険因子の検討、再出血予防対策など、多方面からの演題応募を期待する。

ワークショップ2

6月12日(土)9:00~11:00

膵・消化管領域における診断的 EUS と EUS-FNA の現状と展望

司 会:
植木 敏晴(福岡大学筑紫病院消化器内科 )
岡部 義信(久留米大学医学部 内科学講座消化器内科部門 )

司会の言葉

近年のMD-CT やMRI、内視鏡など各々の画像診断能が向上してきたなか、EUS 機器の性能も格段に向上し、デジタル画像化やTissue Harmonic imaging (THI)、また造影Harmonic imaging、elastographyなど、高画質化や多機能化が図られてきた。さらに、組織診・細胞診を目的としたEUS-FNA により治療前の病理学的確定診断が容易になり、最近では組織診をターゲットとした穿刺針の改良やFNAサンプルを用いたゲノム・遺伝子解析も試みられるようになってきた。本ワークショップでは、膵疾患と消化管疾患に焦点を絞り、各施設の診断的EUSおよびEUS-FNAの現状や問題点、あるいは新しい取り組みについてご発表いただき、情報を共有できる場としたい。九州地区からの発信を目指し、多くの演題を募集する。なお、今回は治療的EUS を除くこととする。

ワークショップ3

6月12日(土)9:00~11:00

生活習慣と関連する消化器疾患の新たな展開

司 会:
中牟田 誠(九州医療センター消化器内科 )
佐々木文郷(鹿児島大学病院 消化器センター 消化器内科 )

司会の言葉

消化器領域では、生活習慣病に関連して発生する様々な消化管・肝胆膵疾患が存在する。消化管領域では、胃食道逆流症と食事・肥満などの関連、食道扁平上皮癌では、アルコール・喫煙の影響、大腸癌では、糖尿病のリスク要因との類似性が報告されている。また、膵炎や膵癌の発症には、遺伝要因に加え、喫煙・飲酒・肥満・糖尿病が関与するというエビデンスが蓄積しつつある。肝疾患領域では、NASHを代表とする脂肪肝関連疾患は、生活習慣の乱れそのものがその原因とされ、食事・運動・睡眠・嗜好品などの生活習慣が深く関連している。本セッションでは、生活習慣と各臓器の個別の関連のみならず、多臓器間のクロストーク、生体時計、腸内細菌、嗜好品などの幅広い観点から、生活習慣に関連する消化器疾患について予防を含めた今後の診療のあり方、研究の方向性などについて基礎、臨床の両面から幅広く討論したい。多くの応募を期待する。

ワークショップ4

6月12日(土)13:20~15:50

腸肝相関からみた消化器疾患の病態解明と治療の展開

司 会:
井戸 章雄(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 消化器疾患・生活習慣病学 )
横山 圭二(福岡大学医学部消化器内科)

司会の言葉

肝臓は、門脈を介して消化管からの血流が最初に到達する臓器であり、肝臓と腸管は互いに影響し合い、様々な病態に密接に関わっている。例えば、炎症性腸疾患(IBD) では原発性硬化性胆管炎(PSC)を合併することが知られている。さらに近年では、腸内細菌のインバランス(dysbiosis) が、IBD、過敏性腸症候群などの消化管疾患のみならず、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの肝疾患、さらには糖尿病、うつ病、自己免疫性疾患などの全身の疾患に関与していることが報告されており、腸管から吸収される物質や腸管周囲の脂肪組織から分泌される様々な物質、肝臓の免疫応答システムなどの関与が注目されている。本ワークショップでは、消化器疾患全般における腸肝相関の新たな知見を、基礎、臨床の両面から幅広く募集し、病態解明と治療の展開について幅広く討論したい。

特別企画

6月12日(土)14:00~15:30

消化器病学に携わる女性医師の環境
~本音を語ろう いいこと、わるいこと、のぞむこと~

司 会:
有永 照子(久留米大学医学部 内科学講座消化器内科部門 )
杉本 理恵(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科)

司会の言葉

この特別企画は2017年から始まり、「しなやかなワークライフバランスを目指して」、「トップリーダーにきく」、「げんばびと 現場のリーダーとの対話」の企画を行ってきました。昨年は残念ながらCOVID-19の感染拡大予防の点から支部例会の開催中止を余儀なくされました。コロナ禍で、genderを問わず、働き方について見つめなおす機会を持たれたと思います。
それらを踏まえて、「消化器病学に携わる女性医師の環境~本音を語ろう いいこと、わるいこと、のぞむこと~」で演題発表していただこうと思います。
前半は各施設での就労や研究の環境に対する先生がたの本音を発表していただき、後半では発表者はもちろん、参加された先生がた皆さんと、各個人や各施設の環境改善に役立てること、取り組んでいくべき事項を学会に提言すること、を目標に活発に討議していただきたいと思います。今年度より春の特別企画発表も「支部評議員申請に必要な業績」になります。そこで、本音を語る中で、経験した症例や研究したテーマなどを交え抄録および発表をお願いいたします。
多くの先生がたのご参加をお待ちしています。

ミニシンポジウム

6月11日(金)14:30~15:30

炎症性腸疾患

司会:
梅野 淳嗣(九州大学大学院 病態機能内科学(第二内科)
上村 修司(鹿児島大学病院 光学医療診療部)

ミニワークショップ

6月12日(土)14:00~14:50

生活習慣と消化器疾患

司会:
壁村 哲平(済生会二日市病院 消化器内科)
古川 正幸(九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科)

消化器病学会九州支部専門医セミナー

6月12日(土)16:00~17:00

司 会:
伊藤 鉄英(福岡山王病院肝胆膵内科・神経内分泌腫瘍センター
 国際医療福祉大学医学部消化器内科)
演者①:
肝臓疾患  竹山 康章(福岡大学医学部消化器内科)
演者②:
胆膵疾患  藤森  尚(九州大学病態制御内科)
演者③:
消化管疾患 原田 直彦(九州医療センター消化器内科)